オリジナルアルバム未収録

all songs written by Noriyuki Makihara
except for 「モグラの詩」

勝利の笑顔(c/w)
「冬がはじまるよ」のc/w。
学生時代の友人と再会して、前に進もうとする主人公を描いた曲……という解釈でいいんですかね?
ここでいう勝利とは「変わらないこと」。久々に会った友人が変わっていなかったのに対して、自分は変わってしまっていた。でもそのことに落ち込むわけではなく、昔の自分を思い出して頑張ろうとするような、前向きな歌です。
この曲の感覚は、この頃の槇原の年齢(リリース時22歳)特有のものなのかな、と思います。これより上になると懐かしさが先に来ますし、これより下だとそんなに感慨はないでしょうし。そういう意味で、自分の年齢を上手く切り取った曲です。

夏のスピード(c/w)
「もう恋なんてしない」のc/w。
タイトルに夏と入ってますが、全く夏っぽくありません。それもそのはず、終わった夏の恋を思い返しているからです。思い出して強がっているという、この頃の槇原が得意としていた失恋の曲のパターンですね。
笛(……本当は何ていう楽器なんですか?)の音が印象的です。

CLASS OF 89(c/w)(r)
「彼女の恋人」のc/w。
大学時代の恋を、元恋人から届いた結婚の報せをきっかけに振り返る曲です。風景描写と、それに絡めた心理描写が非常に上手いです。
「前に進んでいる誰かと、変わらない自分」という構図は、「勝利の笑顔」と共通しています。ただ、この曲は大学時代ですが。
タイトルの89というのは、ちょっとしたお遊びです。この曲のリリースが93年なので、そこから4年さかのぼると、ということでしょう。
思い出しているのは恋のほんの一部なのにも関わらず、切ないです。
未練に決着をつける、という意味で槇原にしては珍しい曲とも言えます。その上夏の曲ですし。

Red Nose Reindeer(c/w)(r)
「雪に願いを」のc/w。
「雪に願いを」がみんなの幸せを願う曲なら、これは恋人の幸せを願う曲、というところでしょうか。様々な意味で「雪に願いを」と対を成す曲です。
いいんですよこの曲が。詞もメロディも。槇原のクリスマスソングの中では一番です(私的には、ですが)。
自分を「赤鼻のトナカイ」にたとえているところが槇原らしいです。邪推をすればユーミンの逆を歌ったという推測もできますが、まあそれは邪推に過ぎないと思います。
クリスマスに恋人と一緒に聴いてみてください。……独り身の方は間違ってもクリスマスにこの曲を聴かないように。テンションが下がりますので。

キミノテノヒラ(c/w)(r)
「SPY」のc/w。
落ち込んだとき、迷ったときに聴く曲です。
槇原の歌には、他人から何かを教えられる詞が結構あるんですが、この曲もその中の一曲です。
個人的には、思い入れの強い歌です。何度も救われているので。
槇原の「友人」を描いた曲は好きなのが多いですが、この曲は特に気に入っています。ここで歌われている「友人」のような生き方を、私もしたいので。いや別に花屋になりたいとかいうことではなく、その姿勢が格好いいと思うので。

まだ生きてるよ(sin)
唯一オリジナルアルバムに収録されなかった不遇のシングル(ベスト盤には入りましたが……)。
クリスマス前に自然消滅という形で鯉人……じゃなく恋人に振られた挙句クリスマスには風邪を引いて寝込む歌です。……何と言うか……「宴会ソング」です。コーラスで遊びまくってます。
この曲と「涙のクリスマス」をクリスマスにカラオケで歌うと本気で嫌がられます。
ちなみに、この曲が移籍前のワーナーからリリースされたラストシングルでした。……何故これをラストにリリースしたのか是非聞きたいです。

Merry-go-round(c/w)(r)
この曲を聴くと、忘れがちな色々なことを思い出させてくれます。
30歳を前にした槇原の、自己確認といった感じなのでしょうか。
冬の風景の中に、大切なものを織り込んだ詞が秀逸です。
冬の街角でふと聴きたくなるような歌です。

モグラの詩(c/w)(r)
written by Hirokazu Ogura
槇原の曲には欠かせないギタリスト、小倉博和氏の曲のカバー。好きですこの曲。日本屈指のギタリストは、優れたメロディメーカーでもあった、ということで。……これ、原曲は何のCDに入ってるんでしょうか。山弦ですか?
詞は……シンプルですね。だからこそ、今の槇原が歌おうと思ったんじゃないか……とは、私の個人的な感想に過ぎませんが。少なくとも、今の槇原には書けない詞だと思います。今の槇原は、この詩を書くには複雑すぎるような気がするので。
初回プレスのみ収録。

Good Morning! Japanese Version/English Version(sin) new
シングル。日本語版と英語版があります。
個人的には好きな部類に入りますが、他の方に薦められるかと聞かれると微妙なところです。まず何よりも先に聴こえてくるのが角田信朗氏の声。インパクト大きいです。
詩の内容は、一言で言ってしまえば「挨拶しましょう」。……いや嘘じゃないですよ。アップテンポのダンスナンバーです。アジア音楽がベースなのかなとは思いますが、ここ最近の槇原らしく色々遊んでいる曲です(この辺、所詮は素人の言っていることなので深くツッコまないで下さい)。
最近の槇原の曲は、静と動がはっきりしているのですが、この曲は「動」です。また同時に、実験場になっている気もしますね。それはこの曲だけでなく、最近のテンポが速い曲のどれにも感じることですが。
角田氏をバックボーカルに持ってきたのは、あの太い声が欲しかったのかな、と。太い、男っぽい声は槇原自身では演出するのが難しいですから。

明けない夜が来ることはない(sin)(r)new
シングル。内容はタイトルの通りなんですが、「どんな夜でも必ず明ける」ではなくて、「どんな夜でも”自分の心が”光を呼んできてくれる」という、「夜も朝もそれを感じる自分の心次第」という曲です。
裏を返せば「ただ待ってるだけじゃ夜は明けない」ってことでもあるんで、結構シビアな内容かと。
考えてみたら、槇原のここ最近の曲は徹底した「自己責任」なんですよね。他人のせいにするな、全ては自分次第。全てを背負うつもりだからこそ、前に進めたりもするのかなと思ったりもしますが。
PVを先行して観たせいか、この曲には電車のイメージがあります。新幹線とかじゃなくて、夜行列車。
あと、相変わらず小倉氏のギターがいい音出してます。今回は珍しくドラムとベースも生音なので、いつもとは空気が違いますね。これはこれで、好きです。

スポンジ(C/W)new
「明けない夜が来ることはない」のc/w。
ダンスナンバー……ってことは? はい、はっちゃけてます。この手の曲やらせるとこの人は遊び倒すんです。
心は何でも吸い込んで汚れるけど、綺麗にも出来る……ってことをスポンジに喩えてはいるんですけど。
サビが頭に残る残る。気付くと頭の中で「Wash away! Wash away!」がエンドレスで……。 おかげで他の部分の印象がほぼ存在しません。 あと、何もこの曲で門倉氏にピアノソロ弾かせなくても。いや、悪くはないんですけどね……もったいない気がして。

そして今日もサビが脳内エンドレス。