君が笑うとき君の胸が痛まないように

all songs written by Noriyuki Makihara

1.ANSWER(sin)
セカンドシングル。会える日が少ない恋人同士の別れ際を歌った曲です。……実のところ、何故この曲のタイトルが「ANSWER」なのかよく分かりません。
あるいは、詞が「ANSWER」なのかな、とも思いますが……。
デビュー当時から、「日常の風景を切り取る」ことに関しては一流だったと認識させられる曲です。

2.RAIN DANCE MUSIC(c/w)(r)
1stシングル「NG」のカップリング。
この曲を聴くと、雨の中で立ちすくむ男性がいつも頭の中で思い描かれます。その横をすり抜けていく子供たちやたくさんの傘。
たぶんその中で、この曲の主人公は泣いていることを隠しているような気がします。一緒にいられなくなったことを濡れた髪のせいにして隠す……。
雨の日に聴きたくなる曲です。

3.80km/hの気持ち
アップテンポの賑やかな曲。内容自体は槇原得意の横恋慕の歌です。
これに関して言うと、前向きな横恋慕ですね。
サビの英語部分がやたらと頭に残る曲でもあります。
……でもきっと上手くいかないんだろうなあ、何せ槇原の曲ですから。

4.12月の魔法
やっぱりこれも槇原が得意とする冬のラブソング。「絵」が見える曲です。このアルバムでは少ない、幸せな曲でもありますね。
個人的には、この曲で描かれている二人が好きだったりします。

5.桜坂(r)
……切ないです。街を出ていった友人(恋人かも)のことが思い出している曲……なんですけど。
槇原ではないんですけど、あるアーティストの曲に「忘れないから思い出さない」というフレーズがあるんです。「思い出す」というのは、「忘れている」からこそできることであって、だからこそ切ないのかな、と思うんですね。
この曲を聴くと立ち止まって空でも見上げたくなるのは……私だけでしょうか。

6.CLOSE TO YOU
打ち込みを多用した曲。タイトルの「CLOSE TO YOU」は(推測の域を出ませんが)カーペンターズから引用したものだということは想像に難くありません。
タイトルはカーペンターズ、でも曲はその正反対。槇原らしいユーモアが隠された楽曲です。

7.NG(sin)
NGというのは、言うまでもなく「間違い」のことです。つまり、恋人と別れたことが間違いだったと、後悔する歌です。
槇原にしては珍しく、救いのない曲です。
考えると、初期の槇原って暗めのような気がします。……失恋でもした直後だったんでしょうか。

8.FISH
思い出の場所で偶然昔の恋人と出会って、揺れる主人公の心境を描いた曲。イントロのパーカッションが印象的です。
……個人的には思い出の場所で昔好きだった人には……会いたくないですねえ。

9.君を抱いたら
ラブソング。槇原にしては珍しく、「身体」のイメージがある曲です。
個人的には、槇原のイメージとはあまり合わない曲かな、とも思います。
ところで余談ながら、この頃の槇原の詞は「自分が大切に思っているものは全部恋人に教える」という傾向がある気がします。

10.北風(sin)(c/w)(r)
シングル「北風〜君に届きますように〜」の原曲。冬になるとまず真っ先に思い出す曲です。
個人的には、この曲を聴くと地元を思い出します。東北なんですが、冬になると本当に歩道の自転車が凍えているように見えるので。
槇原という人の、冬の風景描写の上手さを実感させられる曲です。